1.日常生活に早く適応できる
いつもの動作でリハビリテーション

病棟にはすべて玄関がしつらえられ、患者様たちは病棟から出るたびに靴の脱ぎ履きを行います。そのように千里リハビリテーション病院では、院内のいたるところにリハビリテーション治療のための仕掛けがあり、毎日の生活を通して、心身機能の回復を目指しています。

着替える動作

病室にはクローゼットが設置されています。毎日寝巻きから日常着に着替える時、患者様にはクローゼットから洋服を出していただきます。手を伸ばして洋服をつかみ、持ってきて着替える。退院後に必ず必要となる動作です。

ドアの開閉動作

千里リハビリテーション病院では、病棟とレストランのある棟が分かれており、食事の度に必ず渡り廊下を通るよう設計がされています。病棟から一度ドアを開けて、渡り廊下を通って、再度ドアを開けてレストランへ向かう。1日のうちに最低6回ドアを開閉する。その動作もリハビリテーションの一環です。また、患者様やセラピストとすれ違いながら廊下を歩くことも、日常生活には欠かせない動きのひとつなのです。

階段を昇り降りする

院内の階段を昇り降りすることも、大事なリハビリテーションです。壁に手をかけながら下りる、手すりにつかまる、階段で人とすれ違う時にはどのような動作をするか……。日常生活でよくあるシチュエーションを考えながらセラピストとともに練習していきます。

ポイント

脳のシステムや身体の構造と動きに精通したセラピストが患者様のさまざまな病態に合わせてアプローチします。脳を覚醒させるために、歩行能力を高めるために、装具療法を積極的に取り入れています。

障害物の多い中庭

千里リハビリテーション病院では、病棟の外に出てリハビリテーションを行うこともよくあります。木々が生い茂る中庭は、散歩に最適なコースですが、いくつもの石が置かれていて少々歩きにくいようです。この石は、障害物を避けて歩くためのリハビリテーション目的で置かれたものなのです。

外階段を昇り降りする

中庭を抜けて、病棟に戻るためには外階段を降りなければなりません。この階段には手すりは1本しかありません。しかし、退院後は、このような階段にいくつも出くわすはず。入院中にしっかりと練習をして、退院後の環境にも早く慣れるよう、ひとつひとつリハビリテーションしていきます。